title:「カニバリズム」
「暑いですね」
「暑いな」
「なんか涼しくなる方法ないですかね」
「そうだな……ひとつ、怖い話でもしようか」
「怪談ですか。受けて立ちます」
「ニューヨークの地下鉄の駅に、不思議なホームレスがいてな。ホームの床に座り込んで、ぶつぶつ何か言ってるんだ」
「それだけで怖いですけど」
「肥えた婦人が前を通ると、『豚』と言う。やせ細った駅員が前を通ると『野菜』と言う」
「なんですかそれ。ただの悪口じゃないですか」
「背の高い学生が前を通ると『羊』と言い、普通のビジネスマンが前を通ると『人』と言うし、スタイルの良い美女だと『鳥』と言うそうだ」
「……何か生き物に例えている?」
「目のつけどころは良い。しかし違う。老人が前を通ると『牛』と言い、逆に子供だと『魚』と言う。家族連れでも『魚』だし、牧師が通ると『野菜』と言う。ひとつ言っておくと、このホームレスにはある不思議な力がある」
「不思議な力、ですか……」
「別の肥えた女性にも『豚』と言うが、別の体格の良い駅員にも『野菜』と言う」
「何か法則があるんですね?」
「その通り。どんな力かあててみてごらん」
「……前世、とか?」
「外れだ。別のビジネスマンは『牛』、別の学生には『鳥』、別の美女には『野菜』、別の老人では『魚』、別の子供にも『魚』、別の家族連れは今度は『豚』で、別の牧師には『羊』だ」
「え? え? え? さっぱりわかんないんですけど……」
「そうだな、今の君なら『弁当』だな」
「……お手上げです。答えは何ですか」
「その人間が最後に食べた物がわかるのさ」
「怪談」がテーマだったのでこんな感じのを800字以内で。相変わらず先輩と後輩の会話だけで構成しています。
もちろん元ネタはあります。オリジナルで怪談作れるほど発想力豊かではありません。
意味はわかりますよね?
タイトルはもうちょっとひねればよかったかも。「カニバリズム」なんて単語みんな知らないだろうと思ったら隣の席の奴に見事に「タイトルでネタバレじゃないか」と言い当てられてしまいました。
しかし他のみんなはイチから怪談作ってるのに、俺はネットで拾った怖い話を適当に例の先輩後輩に当てはめただけ……なんかちょっと罪悪感。
ちなみにこれ読んで、この後後輩が死ぬと感じ取った奴もいました。その「最後」じゃないっつーの!
ただ、「いい加減この先輩後輩の会話だけってのやめろよ」との批判もいただきました。
うーん……完全にこれは俺の好みですからね……
先輩が女の子、後輩が男の子のイメージで書いております。
女の先輩×男の後輩ってシチュが好きなんですよ。
先輩のイメージは、理知的で大人びていて、少し中性的な言葉で喋り、後輩に軽い想いを寄せているけど後輩が唐変木で気づいてもらえなくて、ちょっと諦めてる感じでしょうか。スタイルはそれなりに背が高いですし、胸もけっこう大きいです。整った顔つき。髪型はポニーテール……と言いたいですがそれは別のネタに使うのでセミロングのつもりです。
後輩のイメージは、ちょっと馬鹿だけど素直に話を聞く奴です。他の特徴は特に考えてません。まあ自己投影ですからねぇ。
武装錬金のカズキと斗貴子さんのイメージに近いでしょうか。
そう、要は「自己投影しすぎでキモい」って言われてるわけです。
いいじゃないか先輩萌えでも。年上が好みなんですよ。
ちなみに、この二人、名前はまったく考えておりません。「名前がない」というのが一つの特徴で、かつ会話文だけで構成するのが面白いところだと自分で勝手に思っておりますので。
「お前これ小説じゃなくてシナリオじゃねえか」って言われました。エロゲマニアに。まあ……ラノベにも「会話文だけ」なんてものはありませんしね。短編……いや、掌編だからこそできる芸当でしょうか。
で、今度同じ「文章の表現」のクラスのメンバーで文集を作ることになってるんですが、「お前また先輩と後輩書く気か? いい加減やめろよ」って言われてます。結構な人数に。
ダメですかねぇ……自由に書いていいんですが、テーマだけは「日常」って決まっております。枚数は自由。ワープロで書いてOKだそうです。
さすがに会話文だけは難しい。でも「名前は設定しない」って決めてるので地の文に困りそうです。たぶん後輩の一人称になるんじゃないかな?
ここまで来たら先輩と後輩を貫きたい。でもこれはポリシーではなく単なるワガママか馬鹿の一つ覚えと言うんでしょうね。
でも「ヒャッハー! 先輩萌えええ!」って全員に思わせるくらいの甘ったるいラブコメにしてやろうかと思ってます。
あんまり語ると今日の記事で書くことがなくなってしまうので、「先輩と後輩である俺」カテゴリはこれくらいで。
「文章の表現」で書いた作品をUPしてみます。
まだ全然駄目ですが、まあ暇つぶし程度に読んでいただけると嬉しいです。
その内連載にできたらいいなぁ。
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